A 先輩久しぶりです。お元気ですか、今何をやっているんですか。
K 失業中で・・この歳になると、なかなか就職先はないね。不況はいろいろな所へ影響を及ぼしている。自衛隊への入隊も難しくなった。
A ところで、茨城県の隊友会会長をやってらっしゃると聞きましたが、隊友会ではどんなことをしているのですか。
K 例えば、会員が亡くなったとき、葬儀に参列したり受付を手伝ったり・・・相互扶助。昨年茨城県で29名の会員が亡くなられた。昔の仲間が手を取り合って睦むこと。自衛隊に入ってから死ぬまで一緒という考え方だ。
A 睦むとは?
K 変な話でないよ。まあ、言ってみれば「仲良しクラブ」だよ。仲良しの仲間がみんなで遊ぶ集団を作り、老後みんなで楽しむこと。
貴官も同じだと思うが、現職の時には隊友会のことは、ほとんど知らなかったし、関心もあまりなかった。
A しかし、組織には建前の目的があるでしょう。遊ぶことだけですか。
K よく聞いてくれた。 「国民と自衛隊とのかけ橋として、相互の理解を深めることに貢献し、もって我が国の平和と発展に寄与するとともに自衛隊退職者の親睦と相互扶助を図り、その福祉を増進すること」
という立派な目的がある。ポイントはかけ橋だ。橋の目的はいろいろあるよ。
A かけ橋と言ってもよく分かりませんよ。
K 要するに組織の大きいOB会だよ。茨城県の会員は、陸海空の出身者約2530人、支部が市町村単位にあって17個支部がある。日常の活動は支部単位で実施していて、支部により活動の活発さは違う。全国では約13万5千人。ところで、貴官も隊友会員であるということ知っているかい。
A いいえ知りません。そうなんですか。
K 貴官達、現職隊員は賛助会員といって立派な会員なんだ。あくまでも賛同者となっているが、現在23万5千人の賛助会員がいる。貴官達は年間一人平均130円程度を納めているよ。大変感謝している。
A ところで、自衛隊を退職するとき、会員になるにはどんな手続きするんですか。
K これもまたよく聞いてくれた。退職するときに総務・人事系統に申し出れば、部隊で手続きをしてくれて即会員になる。因みに、会費は年間3千円。・・・ところが部隊で違うのは、勧誘の熱心さだ。ある部隊では入会者が80%を越え、別の部隊では15%を切る。あまりにもその差が激しいので困っている。貴官たち、真剣に勧誘すること本当にお願いするよ。
A それは隊友会に魅力がないというのが原因ではありませんか。
K まいったね。そのとうりだよ。だから魅力化施策を一生懸命に取り入れるようにしているんだ。例えば、生涯学習と称して「クラブ活動」を奨励している。ひたちなか支部では「囲碁・カラオケ・旅行・ゴルフ・山歩き会・歩け歩け会・達磨絵・俳句会・ダンス」など12個のクラブをやっている。
A 面白そうですね。
K 趣味活動など面白いことには参加者が多いよ。
A ほかにどんな魅力がありますか。
K 困った質問だねぇ。連絡網を整備して「相互の連絡・・会員個人や自衛隊に関する情報交換」、会報の発行、会員名簿や機関紙
「隊友」 の配布。
A ほかにどんなことをやっているんですか。
K 防衛思想の普及・自衛隊への協力・災害対処…など。防衛思想の普及では講演会の開催や各種ゼミナーの開催。自衛隊への協力では殉職隊員追悼式や入隊員激励会・PKOに対する心の支援や募金を募って支援したりしている。また、自衛官の処遇改善などを防衛庁に対して要望している。
A 自衛隊に随分支援しているのですね。
K そうでもないんだ。それよりも数倍に亘って、地連や部隊から有形・無形の支援をしていただいている。隊友会を代表して感謝の意を表します。
A 先輩達だからしょうがないか。どうせ俺達もいずれそうなるからな。
K そう言ってくれると、有り難いし嬉しいよ。隊員の中には憮然として、冷たく部外者扱いする者もいるからねぇ。
A 部外者は入会できないのですか。
K 隊友会の主旨に賛同する部外者も入会することが出来る。そのような人を特別会員と称し、これらの人々を通じて、国民と自衛隊の「かけ橋」たらんと努めている。茨城県隊友会には国会議員の先生・市長や会社の社長さんたち、58名の人が入会している。会費は年間一万円。
A 隊友会は結構巾広くやっているのですね。
K まだまだなんだ。小生の理想は、全国の隊友会員が組織を通じてインターネットで結ばれ、災害など発生した時に地域や会員の支援が出来るようにすること、これこそが我々国に奉仕した者達の生き甲斐にしたいと思う。
A 結構理想は高いですね。
K 実は隊友会は社団法人なんだ。だから規則には厳しく対処している。
A 社団法人とはなんですか。
K 民法一編第2章に載っているが、ざっくばらんに言うと、公益になること、官庁(隊友会は防衛庁)の監督下に定款を作り事業を実施すること。
公益法人には2つあって財団法人が寄付によって事業を実施するのに対して社団法人は会費により行う。まあいいや、要するに国に届けてある組織と言うことだ。
A それでは、ほかに防衛庁監督法人はあるのですか。
K 23個団体もあるよ。その内我々に馴染みの法人を挙げると(財)防衛弘済会・(社)自衛隊父兄会・(社)日本郷友連盟・・。だから政治的活動は出来ない。
A 自衛隊を辞めたら公務員でないから、政治活動は出来るでしょう。
K そのとおりだ。しかし隊友会の組織として活動するのはふさわしくない。そこで、友好諸団体の有志が集まって「政治連盟、防衛を支える会」を作って、政治に積極的に参加しようと思う人々が活動している。この組織が今「防衛庁を省に格上げすべし」
と運動している。
A 隊友会の会費は先ほど年間3000円と聞きましたが。
K 正確には自衛隊を退職した人が正会員で、終身会員と年度会員に区別され、終身会員は退職時に3万円、年度会員は年間3千円だ。本当は月に500円程度ならもっと充実した事業が出来ると思うんだが、お互いに年金生活者が多いから、経費の節約に心がけている。機関紙
「隊友」 も手渡しを奨励して、郵送料を節約している。・・・そろそろ時間だね。
A 本日はいろいろと参考になりました。
K よく聞いてくれて有り難とう。退職したらぜひ隊友会に入って手伝ってくれ。